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| 平成19年3月25日 能登半島地震(MJ6.9)の震源モデルと強震動シミュレーション | |
| Source model and strong ground motion simulation for the 2007 Noto Hanto earthquake (MJ6.9), Japan by the forward modeling using the empirical Green's function method |
2007年6月1日
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| 1.はじめに |
| 2007年能登半島地震(Mj6.9)は、輪島市、七尾市、穴水町で震度6強の揺れを観測し、死者1名、家屋の全壊630棟、半壊1,520棟という大きな被害をもたらした[1]。 この地震による観測記録がK-NET、KiK-net、JMAにより観測され公開されている[2],[3],[4]。図1に本震記録が得られた観測地点を示す。 ISK006での最大加速度(水平2方向合成)は900cm/s/sを超え、1995年兵庫県南部地震の観測記録を上回るものであった。 被害は震源域の直上と思われる旧鳳至郡門前町(現:輪島市門前町)から輪島市にかけて広がっており、震源近傍域での強震動が非常に大きかったものと推察される。 この地震の震源過程が波形インバージョン解析によって評価されており[5],[6],[7],[8],[9]、断層面での不均質なすべり分布等が公表されている。 本検討では、波形インバージョン解析結果などを参考に、広帯域強震動評価のための震源モデルを経験的グリーン関数法によって評価した。 |
| 2.震源の破壊過程 |
| 図-1に波形インバージョンによる震源の破壊過程を示す。 波形インバージョン解析による震源破壊過程の結果をまとめると、以下のような傾向が見られる。 @モデル(震源の破壊過程)同士でのばらつきは大きいが、震源近傍にすべり量の大きい領域が共通に見られる。 Aモデルによっては震源北東にもややすべりの大きい領域が見られる。 |
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| 山中(EIC地震学ノート)[5] | 堀川[6] | 気象庁[7] |
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| 青井・関口[8] | 八木[9] |
| 3.震源のモデル化 |
| ここでは波形インバージョンによる震源の破壊過程を参考に、経験的グリーン関数法[10]を用いたフォワードモデリングを行った。 観測波形と合成波形との比較にはK-NETでの観測記録を使用した。 対象とした観測点は震源域に近いISK003(輪島)、ISK005(穴水)、ISK006(富来)、おおび破壊伝播方向と見られるISK001(大谷)、ISK002(正院)などである。 |
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| 図2 震源と観測点との位置関係 |
| 発震日時 [11] | 2007/3/25 09:41:57.9 |
| 震央 [11] | 37°13.2E 136°41.1E |
| 震源深さ [11] | 11km |
| マグニチュード(Mj) [11] | 6.9 |
| メカニズム [12] [Str:RAKE:DIP] | 58: 66:132 173: 34: 48 |
| 地震モーメント(Mo) [12] | 1.36×1019Nm |
| モーメントマグニチュード(Mw) [12] | 6.7 |
| 経験的グリーン関数として用いた地震は2007年3月25日15時43分のMj4.3(Aftershock-1)の地震である。 波形の精度を考慮し、0.2〜10Hzのバンドパスをかけて使用した。 この地震の震源パラメータ(断層面積、応力降下量)はKiK-netのISKH04(富来)観測点の地中記録から震源変位スペクトルを求め、円形クラックの式などから評価した。 破壊速度は2.5km/s、S波速度は3.5km/sと仮定した。表2に余震の諸元を示す。 |
| 発震日時 [12] | 2007/3/25 15:43:30.5 |
| 震央 [12] | 37°17.6' 136°46.3'E |
| 震源深さ [12] | 9km |
| マグニチュード(Mj) [12] | 4.5 |
| メカニズム [12] [Str:RAKE:DIP] | 161: 51: 60 40:137: 48 |
| 地震モーメント(Moe) [12] | 1.25×1015Nm |
| 面積(Se) | 1.44km2 |
| 応力降下量(Δσe) | 2.0MPa |
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フォワードモデリングの結果、震源近傍(Asperity-1)とその西側(Aaperity-2)および東側(Asperity-3)の3カ所にアスペリティを配置した震源モデルを提案した。
表3および図3に設定した震源モデルを示す。 破壊はAsperity-1の中央最深部から円状に広がり、Asperity-2、Asperity-3にそれぞれ破壊が到達した後、再び円状に破壊が伝播すると仮定した。 Asperity-1の大きさ、応力降下量、ライズタイムは、7.2km×7.2km、20MPa、0.6秒、Asperity-2は4.8km×4.8km、20MPa、0.5秒、Asperity-3は4.8km×4.8km、10MPa、0.5秒となった。 |
| 地震モーメント | 面積 | 応力降下量 | ライズタイム | |
| Asperity全体 | 3.90×1018Nm | 97.9km2 | − | − |
| Asperity-1 | 2.70×1018Nm | 51.8km2 (7.2km×7.2km) | 20Mp | 0.6s |
| Asperity-2 | 8.00×1017Nm | 23.0km2 (4.8km×4.8km) | 20Mp | 0.5s |
| Asperity-3 | 4.00×1017Nm | 23.0km2 (4.8km×4.8km) | 10Mp | 0.5s |
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| 図3 能登半島地震の震源モデル |
| 図4にISK001、ISK003、ISK005、ISK006における観測波形と合成波形を、図5には加速度応答スペクトル(h=0.05)をトリパタイト表示で示す。 断層の走向方向にある、ISK001やISK003では、断層破壊の指向性効果によるパルス状の波形がうまく再現されている。 震源に最も近いISK006では、経験的グリーン関数の影響を受けやすく、今回使用した余震記録を用いた合成波形の一致度はISK001やISK003に比べるとやや劣るものの、観測波形の特徴は十分再現されている。 ただし、ISK005では合成波形の短周期成分が過大評価となっている。ISK005の観測地点は、地盤が軟弱であることから、本震時における表層地盤の非線形化の影響が想定される。 |
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| NS成分 | NS成分 | NS成分 | NS成分 | ||||
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| EW成分 | EW成分 | EW成分 | EW成分 | ||||
| ISK001(大谷) | ISK003(輪島) | ISK005(穴水) | ISK006(富来) |
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| NS成分 | NS成分 | NS成分 | NS成分 | ![]() |
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| EW成分 | EW成分 | EW成分 | EW成分 | ||||
| ISK001(大谷) | ISK003(輪島) | ISK005(穴水) | ISK006(富来) |
| 図6にアスペリティの総面積と地震モーメントとの関係式を示す。 実線はSomerville et al.[13]が示したスケーリング則である。 能登半島地震の震源モデルは、このスケーリング則を満足していることがわかる。 |
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| 図6 アスペリティの総面積と地震モーメントとの関係 |
| 参考:経験的グリーン関数の影響 |
| 図A1に図2中のAtershock-2(2007年4月2日8時1分)を用いた場合のISK006における観測波形と合成波形を比較して示す。 同様に図A2に加速度応答スペクトル(h=0.05)を示す。 EW成分の合成波形は若干短周期成分が多いものの、観測波形との一致度は極めて高い。 このように、震源近傍地点においては、経験的グリーン関数の影響が大きいため、経験的グリーン関数の選定には注意が必要である。 |
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| NS成分 | EW成分 |
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| NS成分 | EW成分 |
| 謝辞 |
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本検討ではK-NETおよびKiK-netの観測記録、F-netおよびJMAの情報を使用させて頂きました。
また図の一部はGMTを使用して作成いたしました。 |
| 参考文献 |
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